Dublin Core エレメントの記述 下記はDublin Core Metadata Element Setの定義の基準となる参照記述(reference definition) である。定義済みの限定子(qualifier)を含め,最新の参照記述は http://purl.org/metadata/dublin_coreに置かれる。 下記のエレメントの定義の記述において,各エレメントは,メタデータ記述に用いるためのエ レメントの構文的仕様定義をより簡明にするための1語で表された形式的ラベルに加えて,各 エレメントの意味を理解しやすい形で表すための記述的な名前(descriptive name)を持ってい る。 HTMLのように大文字と小文字を区別しない環境で利用する場合もあるが,XML (Extensible Markup Language,http://www.w3.org/TR/PR-xml)のような大文字と小文字を区別する環境 で利用するためにメタデータが抽出あるいは変換して利用される場合もあるので,下記に示し たエレメントラベルの慣用に従って常に大文字と小文字を使い分けることを強く推奨する。 各エレメントは省略可能であり,かつ繰り返し可能である。さらにメタデータエレメントはい かなる順序で現れてもかまわず,順序は意味を持たない。 グローバルな相互利用性を向上するため,エレメントの値の記述の際に一定の統制された語彙 の中から値を選ぶことが推奨されているものが多くある。また,この統制語彙とは別に,ある 地域,あるいは分野の中での相互利用性を目的として作り上げられた統制語彙を用いることが あってもかまわない。 情報資源の中にエレメントが埋め込まれている場合であっても,あるいは埋め込まれていない 場合でも,メタデータエレメントの意味は不変である。 メタデータエレメントはそれが表す情報のクラスないしは範囲によって次の3グループに分け ることができる。(1)主として情報資源の内容に関係するエレメント,(2)主として知的財産とし て情報資源を見た場合に関係するエレメント,(3)主として情報資源の具現化に関係するエレメ ント。 内容 知的財産 具現化 Title Creator Date Subject Publisher Type Description Contributor Format Source Rights Identifier Language Relation Coverage 1. タイトル ラベル:“Title" 当該情報資源に与えられた名前。一般には作者もしくは公開者によって与えられる。 2. 著者あるいは作者 ラベル:“Creator” 情報資源の知的内容の創造に主たる責任を持つ人あるいは組織。たとえば,著述された文書の 場合の著者,視覚的資料の場合の画家や写真家,イラストレータ。 3. 主題およびキーワード ラベル:“Subject” 情報資源のトピック。典型的には,情報資源の主題あるいは内容を説明するキーワードや句。 統制語彙や正式な分類体系に基づいて記述することが推奨される。 4. 内容記述 ラベル:“Description” 情報資源の内容に関する説明記述。文書の場合の抄録,視覚的資料の場合の内容記述など。 5. 公開者(出版者) ラベル:“Publisher” たとえば,出版社,大学の学科,企業体など,情報資源を現在の形態で利用可能にしたことに 責任を持つ実体。 6. 寄与者(他の関与者) ラベル:“Contributor” Creatorエレメントには示されたものではない人あるいは組織で,当該情報資源を作り出すに 当たって知的に重要な寄与をしたもの。Creatorエレメントに示された人あるいは組織に次い で大きな寄与をしたもの。(たとえば,編集者,翻訳者,イラストレータ) 7. 日付 ラベル:“Date” 当該情報資源が作成された,あるいは有効になった日付。この日付はCoverageエレメントに 書かれる日付と混同してはならない。Coverageエレメントに書かれるものは当該情報資源の 知的内容に何らかの関係を持つ日付である。YYYYおよびYYYY-MM-DDの形式で書くISO 8601 [W3Cテクニカルノートhttp://www.w3.org/TR/Note-datetimeの(ISO8601に基づく) 日付と時刻]が定義する形式に基づいて記述することが強く推奨される。たとえば,この形式で は1994年11月5日は1994-11-05と表される。 8. 資源タイプ ラベル:“Type” 情報資源の種類。たとえば,ホームページ,小説,詩,ワーキングペーパー,テクニカルレポ ート,エッセー,辞書・事典など。相互利用性を保つために,一連のワークショップで現在作 成を進めている用語のリストの中から選ぶようにしなければならない。 9. 形式(フォーマット) ラベル:“Format” 情報資源のデータフォーマット。情報資源を表示したり動作させたりするのに必要なソフトウ ェアや場合によってはハードウェアを識別するために利用できる情報を記述する。相互利用性 を保つために,一連のワークショップで現在作成を進めている用語のリストの中から選ぶこと が強く推奨される。 10. 資源識別子 ラベル:“Identifier” 当該情報資源を一意に識別するための文字列もしくは番号。URLや(実現された際には)URN はネットワーク上の情報資源に関する識別子の例である。国際標準図書番号(ISBN)や他の標準 化された名前のように全世界的に一意に定まる識別子もこのエレメントの値として適切なもの である。 11.情報源(出処) ラベル:“Source” 当該情報資源を作り出す元になった別の情報資源に関する情報。一般に,エレメントには当該 情報資源に関する情報のみを記述することが推奨されているが,本エレメントには当該情報資 源を見つけ出すために有用である別の情報資源に関する日付,作者,形式,識別子あるいは他 のメタデータを書くことができる。実際の経験からは本エレメントの代わりに別の情報資源と の関係をRelationエレメントを用いて表すことが推奨される。たとえば,1996年に映画化さ れたシェークスピア劇に関する記述の中で1603年という値をSource エレメントに書くこと ができるが,この場合当該情報資源のRelationエレメントの中では“IsBasedOn”関係を用い て1603年という記述を含む情報資源を参照する方が望ましい。当該情報資源が元の形式であ る場合には情報源エレメントは適用できない。 12. 言語 ラベル:“Language” 情報資源の知的内容を記述するために用いられている言語。実際的に利用するには,このエレ メントの記述は,たとえばen,de,es,ja,thやzhといったRFC1766[言語識別のための タグ,http://ds.internic.net/rfc/rfc1766.txt]に適合している要求される。 13. 関係 ラベル:“Relation” 別の情報資源の識別子および当該情報資源とその情報資源との間の関係。このエレメントには 関連する情報資源間のリンクや指示すべき情報資源記述を書くことができる。たとえば,作品 の版(IsVersionOf),作品の翻訳(IsBasedOn),本の章(IsPartOf),データセットからイメージ への機械的変換(IsFormatOf)がある。相互利用性を得るために情報資源間の関係を表す値につ いては,一連のワークショップにおいて現在定義が進められている値のリストから選択して与 えることが推奨される。 14. 対象範囲(空間的・時間的) ラベル:“Coverage” 当該情報資源の知的内容に関する空間的(地理的)あるいは時間的特性。空間的範囲は物理的な 範囲(たとえば天球の一部)を表す。この場合,座標(たとえば,経度と緯度),統制語リストの中 から選ばれたあるいは完全な名前で表された地名を用いる。時間的範囲は当該情報資源が表し ている内容に関する時間的情報を表すものであり,情報資源の作成や公開に関する日付ではな い。(後者はDateエレメントで記述すべきものである。)この場合,次の形式で表すこと。Date エレメントと同じ日付と時間(期間である場合が多い)に関する形式[(ISO8601に基づく)日付 と時間の形式,W3Cテクニカルノート,http://www.w3.org/TR/NOTE-datetime],統制語リ ストから選んだ時間区間記述,あるいは時間区間の完全な記述。 15. 権利管理 ラベル:“Rights” 権利管理に関する声明文,権利管理に関する声明文へのリンクを表す識別子,あるいは当該情 報資源の権利管理に関する情報を提供するサービスへのリンクを表す識別子。